本の概要
『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』(北野 唯我 (著)、日本経済新聞出版社)は、世の中には「天才」「秀才」「凡人」の3種類の人間がいること、ビジネスにおいてこの3種類の人間たちの関係性がストーリー形式で説明された本です。
こんな人にオススメ
- ビジネスで新規事業など考えてる人
- 自分に才能がないと思い天才に憧れる人
- 人と異なることで孤独を感じている人
全体まとめ・感想
天才・秀才・凡人と3種類を中心に解説がされた本であったが、私自身は本書を読むまでは、「秀才」も天才の中に含まれて「天才」と「凡人」の2種類しかないと思っていた。本書を読んで「天才」と「秀才」の違いと関係性が非常によく分かった。
日本の大企業でイノベーションが生み出せないと言われることは、前例がなくロジカルに説明できない「天才」が受け入れらないためだということに直結していると思った。
「仕事ができる人間」=「ロジカルシンキングができる人間」という考え方を見直すことができた。
気になった部分をピックアップ
天才かどうかを測る指標
本当に創造的なものは、まだ見たことないようなものや。それは、はっきり言って”定義なんてできない”ものなんや。
人の才能は以下の3種類ある
天才(創造性):独創的なアイディアや着眼点を持っていている人
秀才(再現性):論理的に物事を考えることに長けている
凡人(共感性):空気を読み相手の反応を予測し行動できる人
この中の天才の生み出す価値を測るKPIは、過去の実績がなく再現性がないため測ることが難しい。
ただし、間接的には測ることはできる。その方法は、社会からの「反発の量」。
反発が大きいほどいままでにない創造的なアイディアといえる。
天才は余白を埋めるためのイノベーションを生み出す
これまでの世界に飽きているし、そこに『改善できる余白』しか見えてない。だから、指摘するし、作るんや。
天才は、イノベーションを生み出すのに「飽き」をモチベーションにしそこから余白を埋めるためのアイディアが生み出される。
ただし、どの組織にも秀才がおり、天才の好奇心を殺す存在となる。秀才は良かれと思って天才を殺してしまう場合もある。
学校を例にすると、天才過ぎる子供が、授業の内容に飽き、自分で問題をつくったりなど独創的なことを始めると注意する先生(秀才)。
自身の才能を知り、使う
大事なんは、自分に配られたカードがなにか知ること。そしてそのカードの使い方を知ることなんや
自分のない才能を欲するのではなく、自分の才能を知っていくことと、その才能で勝負し続けることが重要。
秀才を味方につける方法
再現性の世界で生きる秀才タイプは『新しいこと』より、『すでに世の中で発言されたこと』のほうが安心する。これが大事なんや
凡人が秀才を巻き込むには、「あなたはどうしますか」といった秀才を主語にした発言をしてから自分の意志を話すことが重要。
凡人が自身を主語にした話だけをすると秀才からはただの感想・意見に聞こえてしまう。
「便利な言葉」と「自らの言葉」
「もちろんや。自らの言葉と、便利な言葉。この二つ、両方あって初めて、社会は回る。でもな、人の心を動かせるのは、便利な言葉ちゃう。魂を揺さぶる、自分の腹から出た言葉や。そして『便利な言葉』は、秀才の武器や。でもな『自らの言葉』は、凡人の武器なんや。凡人こそが抜くことが許された、最強の剣、エクスカリバーなんや」
利益やマーケティングなどの言葉は、組織が生み出した便利な言葉。小学生でもわかるような言葉使い自分の思いを語ることで人の心は動く。
今日はここまで。。。
次回お楽しみに。
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