最近、ネットのニュースで出てくることのある次世代無線LAN規格の「11ax」について概要をまとめてみます
- 混み合った環境でも4倍高速を目指した規格
- 2.4GHz/5GHz両方利用可能
- 現時点ではドラフト版。標準化完了は2019年頃予定
11ax の概要
11ax は現在の主流の 11ac をさらに高速化させるための技術で、特に無線が混み合った環境で無線干渉が多い場合においても快適に利用することを目指した規格です。
11ac は5GHzのみ対応でしたが、11ax は 2.4GHzでも利用が可能です。
11ac との簡単な比較は以下の表のとおりです。
11ax | 11ac | ||
利用周波数 | 2.4GHz/5GHz | 5GHzのみ | |
規格上の 最大速度 | 9.6Gbps | 6.9Gbps | 速度向上 |
MU-MIMO | 上り/下り 両方向 | 下りのみ | 複数台利用の品質向上 |
多重方式 | OFDMA | OFDM | 複数台利用の品質向上 |
その他 | Spatial Reuse 対応 | - | 混み合った環境での品質向上 |
イメージにするとこんな感じ
個人的は、最大速度が高いよりも、ある程度の通信速度で安定してつながる事の方が重要だと思っているので、混み合った環境での品質向上技術に期待してます。
いろいろな技術が新たに導入されますが、それは別の記事でまとめてみたいと思います。
11ax の現在とこれから
現時点(2018年3月)で、標準化は終わっておらず、ドラフト版となっております。
標準化作業をしているIEEEのページをみると、現時点(2018年3月)では、2019年後半に標準化が終わるみたいです。
なので、11ax の製品としては、まだほとんど販売しておらず、私の知り限りだと以下の製品がドラフト版の製品として発表されています。
●KDDI auひかりのホームゲートウェイ
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【2018年12月21日更新】
ASUSから国内向けの11ax対応の無線LANルータ発売されました!
●ASUS RT-AX88U
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だだし、両方ともアクセスポイント(無線LAN親機)で、スマホやPCなどの無線子機側が 11ax 対応していないと 11ax の機能が利用できないので注意が必要です。
実際の普及はスマホやPCが 11ax 対応の製品がでてくるタイミングかと思いますが、スマホなどは、Wi-Fi 認定を取得している製品が多いので、IEEE の標準化スケジュールだけでなく、Wi-Fi認定をしているWi-Fiアライアンスがいつから 11ax のWi-Fi 認定を実施するかで、11ax の普及の時期が変わってくると思ってます。
個人的は、2020年の東京オリンピックのあたりになるのかなと思ってます
以下のイメージ(あくまで個人の勝手な想像です)
東京オリンピックで外国人観光客増加予定!
↓
品質の高い公衆無線LAN必要!!
↓
11ax !!!
↓
オリンピック前の冬または春くらいに 11ax 対応スマホ投入!!!!
※「オリンピックをいつでもどこでも快適に楽しむ 11ax 対応スマホ」的な
今日はここまで。。。
今後は、11ax の個々の技術をまとめてみたいと思います。(勉強します)
【追記】
個々の技術を少しまとめました。少しずつ増やしていければと思います。
第1弾:「Spatial Reuse」(2018年3月3日)
第2弾:「OFDMA」(2018年4月30日)
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